○50歳になれば帯状疱疹ワクチンを!
みなさん、帯状疱疹をご存じですか?
80歳までに3人に1人はかかるといわれる非常に頻度の高い皮膚疾患です。

《帯状疱疹とは》
子供のころ水ぼうそうにかかったことがある人(成人の90%以上)が、免疫の低下したとき(多忙、疲れ、風邪など)に、神経に潜んでいた水ぼうそうのウイルスが再活性化し、神経に沿って体の片側に痛みを伴う水ぶくれが出てきます。顔や手足、体のどこでも生じます。
加齢とともに発症する人が増え、50歳以降に急増します。これは加齢により免疫が低下するためと言われています。
帯状疱疹を発症し、治療が遅れたり、重症の場合には、皮膚に潰瘍が生じて痕が残る、顔面神経麻痺・失明、排泄障害など、重篤な後遺症が残ることがあります。脳炎で死亡する人も、高齢者を中心に年間15人程度おられます。

《帯状疱疹後神経痛》
帯状疱疹になった人のうち30%では、回復後にも神経痛が残ります。これは、ウイルスによって神経組織が壊れてしまうことが原因です。
その神経痛は、1年以上続く人が約30%、中には7~8年も痛みに悩まされる人もいます。平均的には5年以内には痛みは和らぐといわれています。
痛みには、9割くらいの人は温めた方が気持ちいいようですが、逆に冷した方が良い人もいます。衣類がこすれないように貼り物をしておくのも有効です。
つらい痛みが残った場合は、治療を受けながら、ある程度は痛みとともに暮らす、他の楽しいことに目を向けてみる姿勢が必要です。

《帯状疱疹の現状》
日本では2014年から水ぼうそうのワクチンが公費負担で接種可能になったため、最近、水ぼうそうの患者さんは減少傾向にありますが、半面、ウイルスに接する機会が減ってしまい、成人の免疫が低下して帯状疱疹を発症するケースが増えているという、皮肉な結果になっています。

《帯状疱疹の予防》
日本では2016年3月から帯状疱疹の予防にワクチン接種が認められました。
現在、50歳以降に低下するウイルスに対する免疫を維持して、帯状疱疹の発症を防ぐためにも、

50歳になれば、できるだけ早くワクチン接種すべき

と考えられています。

ワクチン接種により、帯状疱疹の発症を100%防ぐことはできませんが、もし発症した場合でも、接種しない場合より症状は明らかに軽く済みます。
帯状疱疹を発症した場合、抗ウイルス薬や長期の鎮痛薬が経済的負担となります。経済的負担に加え、痛みなどによる精神的・身体的苦痛を感じている患者さんも多く、帯状疱疹ワクチンの普及を促し、後遺症や合併症に悩まされる患者さんを一人でも減らしていくことが大切であると考えています。

★帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹ワクチン接種をご希望の方は、お電話でご予約をお願いいたします。
079-239-7716

○乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」
50歳以上 7,700円(税込)
生ワクチン 皮下注射1回
予防効果50~60%
副反応 接種部位の赤み、発赤、かゆみ
長所 1回で済む、値段が安い
短所 免疫が低下している方に接種不可、持続期間が短い

○シングリックスNEW!
23,000円(税込)
50歳以上(18歳以上※)
不活化ワクチン
筋肉内注射2回(2ヵ月後に2回目、18歳以上:1~2ヵ月後に2回目)
予防効果90%以上
副反応 接種部位の痛み、発赤、筋肉痛、疲労感、頭痛、発熱
長所 免疫が低下している方でも接種可能、予防効果が高い、持続期間が長い
短所 痛い、2回接種が必要、値段が高い

※18歳以上:帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる者
・疾病又は治療により免疫不全である者、免疫機能が低下した者または免疫機能が低下する可能性のある者
・上記以外で、医師が本剤の接種を必要と認めた者

★新型コロナウイルスのワクチンとの兼ね合いについて
新型コロナウイルスのワクチンを接種後、2週間あけると帯状疱疹ワクチンの接種は可能です。
最短では、2週間後の同じ曜日で接種可能です。

反対も同様で、帯状疱疹ワクチンを接種後、
最短で2週間あけると新型コロナウイルスのワクチン接種が可能です。