○アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)中の患者さんへ
シダキュア、ミティキュアを内服中の患者さんは、Web・電話による順番予約が不要になりました。
診察時間内に直接ご来院いただき、受付でシダキュア、ミティキュア治療中とお申し出ください。優先的に診察させていただきます。
アレルゲン免疫療法だけでなく、それ以外の診察もご希望の場合は、従来通りWeb・電話による順番予約をお願いします。
治療薬は4年は継続的に内服していただく必要がありますので、みなさん、頑張って治療を続けましょう!


★アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)とは
スギによる季節性のアレルギー性鼻炎(花粉症)と、ダニによる通年性アレルギー性鼻炎に対する根本治療となり得る最新の治療です。
アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から服用することで、体をアレルゲンに慣らし(アレルギー抗原に対する感受性を減らし)、アレルギー症状を治したり、長期間にわたり症状を起こしにくくする治療方法です。これまでの抗ヒスタミン薬を内服するなどにより症状をおさえる治療とは全くちがう新しい治療法で、アレルギーに対して唯一治癒が期待できる治療です。薬を舌の下に服用するアレルゲン免疫療法のことを、舌下(ぜっか)免疫療法といいます。

☆特徴
1.毎日お薬を舌の下に服用します。きちんと続けることで、長期にわたって症状を起こしにくくしたり、薬物療法で使うお薬の量を減らすことが期待できる治療法です。
2.からだをアレルゲンに徐々に慣らしていくので、治療は長期間(3~4年)かかります。
3.検査でスギまたはダニによるアレルギーであることが確定診断された方が対象になります。
4.少なくとも月に1回は受診し、症状の経過などを確認します。
5.アレルゲンを投与することから、副作用が出る可能性があります。ほとんどは口の中のかゆみなどの軽い症状です。

★スギ花粉症にお悩みの方へ
日本人の2人に1人は、スギ花粉に感作されているといわれます。
スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法は、これまで皮下にアレルゲンを注射する「皮下免疫療法」しかなく、スギ花粉のシーズンを乗り切るための内服薬による治療が主体でした。
2014年10月に舌の下に治療薬を服用する「舌下免疫療法」の薬が登場し、この治療薬によりスギ花粉症を根本的に治療できる、あるいは長期間症状を軽く抑えることができます。舌下免疫療法は皮下免疫療法とちがい、アナフィラキシーという激しいアレルギー反応が極めて少なく、注射の痛みもなく、頻回の通院の必要がありません。

★ダニによるアレルギー性鼻炎でお悩みの方へ
通年性アレルギーの主な原因はダニであり、ダニの増加により通年性アレルギーは増加傾向にあります。ダニを除去するには住環境を変えることが有効ですが、なかなか簡単なことではありません。アレルギー免疫療法は、ダニによるアレルギー性鼻炎を根治させうる、あるいは長期間症状を抑えることが可能な新しい治療です。

※ハウスダスト・通年性アレルギー性鼻炎の原因となるダニとは
ハウスダストとは小さなほこりのことです。アレルギー性鼻炎の原因として重要なダニの死がい・フン、ペットの毛、花粉、カビ、細菌など様々なアレルゲンも含んでいます。なかでも、ダニの死がい・フンはハウスダストアレルギーの主要原因と考えられています。通年性アレルギー性鼻炎の原因となる主なダニは、コナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニと呼ばれる小さなダニです。これらは「チリダニ」とも呼ばれ、皮膚を刺すダニとは違います。家の中の暖かく、湿気のある布団や絨毯、畳などを好みます。これらのダニのフンや死がいが原因となりアレルギーを引き起こします。

★よくある質問Q&A
Q1:「どのくらい治療を続ける必要がありますか?」
A1:「治療は長期間にわたります。治療を継続することが何よりも重要です。少なくとも2年間は毎日治療を継続することが大切です。できれば、治療期間は3~4年継続することが望ましいです。」

Q2:「どのように服用しますか?注意点はありますか?」
A2:「初回は院内でお薬を服用し、30分間体調に問題がないか観察します。早めに医院に来院して下さい。以後は、自宅で薬をきっちり毎日1日1回服用する必要があります。服用前や服用後少なくとも2時間は激しい運動や入浴、アルコール摂取は避けてください。服用後の5分間はうがい・飲食は控えてください。食後に内服する場合は、すぐにでも内服可能ですが、できれば食後にうがいや、歯磨きをした後に服用してください。内服後に運動をすると運動誘発性の喘息が出ることがあるので、日中に運動するような子供の場合は、夕食前後や就寝前が良いでしょう。喘息発作時、抜歯後や口腔内に傷や炎症があるとき、風邪などの感染症で体調が悪いときは服用しないでください。」

Q3:「飲み忘れた場合や、中断してしまった場合はどうなりますか?」
A3:「決まった方法は確立していません。この治療の大前提として毎日服用することが大切です。数日程度の中断なら、そのまま継続していただくことが多いですが医師とご相談ください。」

Q4:「通院は必要ですか?」
A4:「治療開始後は1週間後に受診してください。以後も少なくとも1ヶ月に1回、定期的な通院の必要があります。舌下免疫療法は重い副作用が出にくく治療も開始しやすい反面、途中で中断する方も多くみられます。治療経過や副作用のチェックのためにも定期的な通院が必要です。」
当院では治療を継続しやすくするために、治療中の患者さんは、待ち時間が少なくなるよう優先的に診察しています。

Q5:「副作用はありますか?」
A5:「少量ですがアレルゲンを投与するため、副作用が出る可能性があります。舌下免疫療法の副作用のほとんどは、口腔内のかゆみ・頬や舌の腫れといった口の中の軽い症状です。アナフィラキシーなどの重篤な副作用の頻度は非常に低いですが、治療の有効性と安全性を正しくご理解していただいた上で、治療を開始する必要があります。」

Q6:「すぐに効果が出ますか?」
A6:「治療に即効性はなく徐々に効果が出てきます。効果があって治療を終了した場合でも、時間の経過とともに効果が弱くなる可能性があります。また、すべての患者さんに効果が期待できるわけではありません。」

Q7:「治療できない人はいますか?」
A7:「次の項目に該当する方には治療できません。β遮断薬・ステロイド薬・抗がん剤を内服中の方、治療開始時に妊娠中の方、重度の喘息の方、がん・リウマチなどの自己免疫疾患・免疫不全症・重症心疾患・慢性感染症などの全身的に重篤な疾患を有する方などです。くわしくは医師にご相談ください。」

Q8:「スギとダニの治療を同時にすることはできますか?」
A8:「両方の治療を最初から行うことは勧められていません。まずは片方から治療します。片方の治療が安定すれば、他方も追加できる場合もありますので、医師にご相談ください。」

Q9:「いつからでも治療は開始できますか?」
A9:「アレルゲン免疫療法は、スギ花粉が飛んでいる時期はアレルゲンに対する体の反応性が過敏になっているため、スギ・ダニともに、当院では新規に治療開始を希望される方は、6~12月に治療を開始しています。」

Q10:「子供は治療できますか?」
A10:「舌の下に薬を保持することができ、服用後に安静を保つことのできる小学1年生以上の患者さんに治療を行っています。」

☆患者さん向けの資料やパンフレットもご用意しています。くわしくはスタッフにお尋ね下さい。